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2025.07.14
お知らせ

【社外参謀’s File #11】 見せ方一つでガラッと変わる!隠れた魅力を引き出して“売れる制作物”を作るメソッド

 中小企業と心をひとつに、外から支える「社外参謀」。JCFに所属する社外参謀たちの軌跡と中小企業への思いをお伝えする『社外参謀s File』をお届けします。第11回目は、“売る”に特化した制作物を作る会社を運営し、セールスデザインディレクターとして活躍する、上口まみ。クライアントが気づいていない魅力を引き出す広報支援について、自身の思いを語ります。

 

■将来に不安を抱える中、“売る”に特化した営業視点が自分の価値に

 現在は、パンフレットやチラシ、Webサイトなどの制作をディレクションする会社を経営しています。一般的なデザインに特化した制作会社ではなく、“売る”に特化し、サービスや商品を売るためにどう見せるか、というところに重点を置いた制作物を作る会社です。私は主にセールスデザインディレクターとして方向性を担い、具体的なデザインや実質的な制作は、多くのプロの仲間とともに行っています。

 実は、新卒で入った会社はIT系で、キャリアはシステム開発のプログラマから始まったのですが、システムのインストラクターやヘルプデスクという、研修やマニュアル制作の仕事へと移行していきました。それからIT会社に数社転職した後、大手商社へ派遣社員として、システム導入の営業支援の業務に就きました。具体的には、営業に同行し、システムを売るためのプレゼンを行ったり、システムの使い方を説明することが主な業務です。

 商社では、営業と“売る”ということに特化して二人三脚でやってきたので、実際にどう見せたら売れるか、どうしたらわかりやすく伝わるか、営業視点でのプレゼンや制作物を日々作成していました。

 しかし、いつからか「このまま派遣社員として働き続けていけるのかな」というモヤモヤが生まれるようになっていました。けれど、自分に何ができるかということもはっきりしていなかったので、一歩踏み出すこともできなくて。何かきっかけがつかめるかなと思い、そのころからビジネスの交流会やセミナーに参加するようになりました。

 ビジネスコミュニティで出会った方々と交流する中で気づいたのが、プレゼンスライドやチラシなどの制作物の改善点。自分だったらこうするな、もっとこうしたら…というポイントに多々気づくようになり、制作のお手伝いをするようになりました。このスタートが、今の仕事の一歩につながり、自分の価値に気づいたきっかけになりました。

 それから本格的に制作の仕事を生業にするため、派遣社員を辞め、会社を設立しました。一見すると、業種的に現在の仕事と経歴につながりがないようですが、わかりやすく物事を伝えたり、顧客や営業視点での制作物を作ったりといった経験が活きて、今があるな、と感じています。

 

■「なんで私?」JCFで価値に気づき、制作物からコンサルを担う

 JCFとは、派遣社員だったころに参加していたビジネスコミュニティで、石原と出会ったことがきっかけで、参画することになりました。

 当時、私はこのままでいいのかな、と悩んでいた時期だったので、今後の仕事のことなどを石原に相談していました。そんな中、私が商社で経験した「見せ方にこだわってプレゼンしたことで、数千万から数億のシステムの受注率が上がった」という話をしたんです。すると「面白いね、すごいことしているね」と言われて。でもその時の私は、まだ見せ方を意識した資料作りやプレゼントークに自分の価値を見出していませんでした。

 JCFに誘っていただいた時も「なんで私?」と思いました(笑)。JCFは第一線で活躍されているコンサルや税理士、中小企業診断士の先生の集まりなのに、そこで何のお役に立てるのだろうか、と思ったんです。

 きっと、石原はコンサルタントとして活躍できるんじゃないかと気づいて、引っ張り上げてくれたのかなと思います。コンサルという言葉が合うかわかりませんが、お客様の話を聞いて、価値をわかりやすく伝える制作物を提供するという意味では、コンサルの手法の1つですし、その部分に期待してもらえたのではと思っています。

 JCFでは、所属している先生方のクライアントの制作を担当しています。クライアントのお困りごとや解決を支援する中で、たとえば新規事業やサービス、雇用などの動きがあると、チラシやパンフレット、ホームページのリニューアルなどの販促物が必要になることがあります。先生方と一緒に、私がディレクションを担って、制作していくというイメージです。また、JCFのランディングページや、チラシ、パンフレットなどの制作も担当しています。

 

■気づけていない魅力と従来のアピールポイントの融合が、次につながるきっかけに

 私が制作で意識しているのは、お客様が気づいていない魅力を引き出して、アピールしたい部分と融合して形にする、ということです。

 たとえば、JCFの先生がコンサルに入っていた化粧品会社のパンフレットを作ることになった時のこと。お客様のご希望はオリジナルの商品を前面に出したものでした。長く愛されている商品だったのでとても理解できるのですが、私はそれ以上に、社員さんたちの商品や会社に対する強い思いに「いいな」と感じたんです。社員同士を大切にしている雰囲気も、素敵でした。だから社員の方々の表情を通して、商品の思いを届けようと考え、パンフレットの表紙には商品を持った社員さんたちの笑顔があふれた集合写真にしたんです。商品推しというよりも、社員さんの顔からサービスを推して、思いを伝えた、という感じですね。

 一般的によく見られることなのですが、実際に作っている人たちは、商品に対する思いが強すぎて前面に出し過ぎてしまい、お客様に伝わりづらくなる、ということがあります。それではとてももったいないので、クライアントが気づけていない価値や魅力を私が引き出しながら、会社が感じているサービスの良さと併せて、売り出すお手伝いをしていくようにこだわっています。クオリティに関しても、クライアントの期待を超えるよう意識していますね。

 制作物は、紙でもWebでも、目に見える形になるので、手にしていただいた時はとても喜んでいただけます。「上口さんに頼んでよかった」と言っていただいた時は、私も大きな喜びを感じます。一緒に作った制作物を使っていただいて「自信をもって広めていけるよ」「受注できたよ!」といった、次につながるきっかけ作りができた時は、本当にうれしいですね。

 

■見せ方一つでより良いものに。価値を広めるサポートをし続けたい

 私は制作担当ということから、経営者よりも部長や、広報の担当者とのやり取りが多いです。会社やサービスをより良く見せるため、担当者の方は社内で試行錯誤されています。特に中小企業は大きな制作会社に依頼することなく、社内で完結することが多いので、一生懸命何とかして自分の会社の価値を世の中に広めたい、と熱いお気持ちを持っていらっしゃいます。私も、扱っているサービスは素晴らしいもので、見せ方一つでより良いものに変わると考えているので、これからもお客様の価値を広めるお手伝いをし続けていきたいと考えています。

 JCFとの関わりとしても、メンバーが毎年増えていく中で、JCF自体のブランドに対して、広報という形での支援をもっとしていきたいです。ブランディングは明確にできているので、これからは認知拡大をしていくためのツール作りをしたいですね。

 

<プロフィール>

上口 まみ(かみぐち・まみ)

IT企業にてプログラマーとして業務システム開発に従事。

その後、上場企業の商社へ転職し、開発から販促部門に転向。新規開発された数百万~数千万の、高額システムのプレゼン・デモンストレーションを担当。商品の魅力をわかりやすく伝えることを得意とし、最終プレゼンを担当したチームの売り上げは年間2.5億、契約率は70%を誇る。2015年3月に独立し、株式会社ミセルカを設立。セールスデザインディレクターとして制作したWEBやチラシは「顧客目線で圧倒的にわかりやすい」との評価を得ている。趣味はゴルフで、スクールに通いながら月に2回ラウンドを回っている。目標は、年内にスコア100を切ること。

▶上口 まみプロフィールページ