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【社外参謀’s File #12】 「雑談は最強!」対話で思考を整理する“雑談メソッド”が経営者に自信を与える
中小企業と心をひとつに、外から支える「社外参謀」。JCFに所属する社外参謀たちの軌跡と中小企業への思いをお伝えする『社外参謀’s File』をお届けします。第12回目は、パートナー型コンサルタントとして、家業の老舗時酒専門店の経営ににも携わっている、大島ゆかり。独自で編み出した会話法「思整雑談術」と、経営者とのコミュニケーションのこだわりについて聞きました。
■がむしゃらに働いて三刀流…病気を機にコンサル業に専念

高校を卒業してから薬の問屋に勤め、その後に専門学校に1年通いました。卒業後、石油関連商社での営業事務、その後にリクルート代理店に入社し、フルコミッションでの営業職を経験。2年くらい勤めたのちに、結婚。夫は北九州の老舗地酒専門店の3代目ということで、家業に専念することにしました。
とはいえ、今までがむしゃらに働いていたこともあり、自分の自由になるお金があったらいいな、と考え、夫の同級生が働く保険会社の委託契約で生命保険面接士として働くことにしました。この仕事は子どもが2歳くらいから続けて、この頃から二足のわらじが当たり前になっていました。
そんな中、もっと酒店を発展させるために勉強会に参加し、国内外の視察も積極的に行っていました。アメリカ視察で、保険は売りに行くのではなく、お客様が買い行くということを知りました。現在、ショッピングモールなどにある「来店型保険ショップ」ですね。そんな時に、知人が来店型保険ショップを始めるという話を聞き、保険会社の委託業務を辞めて、参画することにしました。事業を軌道に乗せるために、ファイナンシャルプランナーの資格も取得。さらに、法人営業で税務の知識も必要だと感じたので、キャッシュフローコーチ(CFコーチ)の勉強もしました。
ところが、CFコーチとして活動を始めて1年ほど経ったころ、乳がんが発覚。その時は手術をして復帰できたのですが、2年余りで再発してしまったんです。さすがに三刀流を続けるのはちょっと無理だな、と思い保険業をすべて辞めました。なぜなら、CFコーチを取得した時に、もっと企業の中に入っていこうと考えていたからです。たとえば、保険営業を狩猟型だとしたら、コンサル業は農耕型だと思うんです。新しいお客様を獲得し続けるというより、ひとりのお客様と一緒に長く耕していく形に魅力を感じたんですよね。体力的にも、じっくり耕す方が合っていると思いましたし、なにより楽しいと思えました。経営者の方と話しながら出てきた課題を解決していく場面に出会えるって、すごくいい仕事だなと思います。
現在も治療を続けながら、コンサル業を中心に家業の酒店での事務作業や、時々ですが接客にも従事しています。
■直感的に「面白いかも」メンバーとのつながりからJCFに参画
CFコーチ養成塾でファシリテーターを務めていたのが、JCFの石原でした。この出会いや設立メンバーとのつながりがきっかけで、CFコーチとして活動を始めたばかりの頃に声をかけられ、JCFに参画しました。
当時は、まだ社外参謀大学などはなくて、JCFがスタートしてすぐくらいだったと思います。当時、FPとして確定拠出年金の導入に取り組んでいたので、その部分に期待いただいて参加したと記憶しています。現在は、既存のお客様対応のみを行っています。
でも、今までもずっと、楽しいかどうかを直感的に判断して動いているので、JCFの活動を始めたのも、シンプルに「面白いかもしれない」と思って参加したのが一番ですね。
今は、JCFの北九州に縁のあるメンバーによる北九州プロジェクトに参画しています。北九州を盛り上げるための一環として、3月に『ファインディング北九州』というWEBマガジンを創刊しました。11月頃に発刊予定の第2号に向けて活動しています。
■対話で思考を整理する“雑談術”で経営者をサポート

今まで出会ったたくさんのお客様と話していて、雑談は”最強”だと思っています。以前、商社で営業事務をしていた時、他の社員から恐れられていた専務とよく話をしていました。私は全然恐いと思わなくて(笑)。上司からの案件を、事前に私から専務に伝えておくとスムーズに事が運ぶこともよくありました。そんな若い頃の経験からも、雑談ってただ話しているようでとても大事なコミュニケーションなんだと思います。
そんな、これまで自分が培ってきた雑談のスキルを「思整雑談術🄬」と名付けました。コンサルで経営者さんと話す時も、思整雑談術のメソッドを活用しています。
「思い」を「整える」という字を使っているのは、楽しく雑談を話しているうちに、対話によって思考が整理されるから。たとえば、CFコーチとして伺っている会社の場合、キャッシュフロー表を広げたのはほんのわずかの時間ということも。社長さんが社員に思っていることなどを雑談のように話します。話しているうちに、何が今一番問題なのかが浮き彫りになってくるんです。すると、社長さんも「こうした方がいいかな」と自身で考えて答えを出していく。そこに対して、私は「じゃあどうしましょうか」と出た答えに対して、次のステップを促し、頑張ってくださいと背中を押します。ここまでがワンセット。この思整雑談術を用いたのが、独自メソッドである経営者向けセッション「TALK to ACTION」です。
セッションでは、とにかく社長さんに話したいことを話してもらいます。社長さんだからこそ、誰にでもは話せない困ったことや社員に対して気になったことなど、1人で悶々とすることがあるんですよね。ある社長さんには「次に会うまでにこの袋(見えない)にためておいて、私が来た時に吐き出してください」と言っています。その事で安心感があるようです。話すことでスッキリするのはもちろん、課題が見えたり、逆に大したことなかったとわかったりするんです。特に話しやすい空気というか空間づくりを意識していて、大変な時こそ穏やかに、一緒に深刻な顔をしないなど、何でも話して大丈夫と感じられる空気感を大事にしています。やはり、その方がやりたいことを一番に尊重することが大切。あとは笑顔ですね。でも笑顔は無意識なんです(笑)。
以前、クライアントに、同族経営で代替わりした会社の社長さんが、なかなか自分のやりたい方向性や軸が定まらない状態になっていたことがありました。2年くらいずっと、社員や周りのことなど、「わかってはいるけど今は…」と決断ができずにいたのですが、話を聞き続けてようやく芯が整ってきたんです。その方に言われたのが「話を聞いてくれたおかげで自信がついて覚悟が決まった」ということ。私はひたすら話を聞いていただけなのですが、そうやって自分で決めて、強くなられました。
コンサルには先生タイプの人で、「こうしなさい」としっかり言う存在も場合によっては必要だと思うのですが、私のキャラとはちょっと違います。だから、誰でも私のコンサルが合うとは言えませんが、雑談のような雰囲気で話を聞いてくれるというスタイルが合う方とは、長くお付き合いさせていただいていますね。
■無理をしないで好きな仕事を楽しく!一緒に成功を喜び合いたい

今後も、中小企業の方々の成功を一緒に喜び合いたいです。以前、ある先生がおっしゃっていたのですが、「大きな船は大波が来たら転覆するけど、小舟はなんとか乗り越えていける」んだそうです。中小企業だからこそ小回りが利くし、会社がワンチームのように動けると思います。大波が起きても、理念がしっかりあれば方向性を整えていけるんです。そこに全体を見る立場で携わりながら、一緒に喜び合うような関わりを続けていきたいですね。
また、自分のビジョンとしては、思整雑談術をしっかり体系化し広めていきたいです。なかなかこの空気感を誰もが使いやすい形に均一化するのがとても難しいのですが。まずは、私が使って行くうちに波及していくのかなとも思うので、TALK to ACTION café という体験版を用意しました。興味を持っていただける経営者さんから増やしていこうかなと考えています。
JCFの活動は、前述した北九州プロジェクトの活動を進めていきます。もっとメンバーの皆さんと関わっていきたいなとは思っていますが、物理的に距離が離れているので、なかなか密に関わるのが難しいんですよね。でも、北九州プロジェクトのメンバーと楽しくメディアづくりができていますし、『ファインディング北九州』が、今後大阪や東京など他の地域に広がっていくといいなと思っています。
私も今年61歳になりました。気持ちは元気一杯!ですが、無理は禁物!ストレスをためず、上手に働きたいと思っています。そのためには楽しむことも大事。プライベートで夫婦で旅行に行くなど、自分の時間も有意義に使うようにしています。もうガンガン働く時は過ぎました(笑)。私の信念として「転んでもただでは起きない、必ず何かを掴んで立ち上がる」というのがあり、ついつい無理をしてしまうんです。ですが、年齢を重ねてきて、より楽しいことにシフトしてもいいかなって思うようになってきました。好きな仕事を楽しく続けていくために。
<プロフィール>
大島 ゆかり(おおしま・ゆかり)
1964年生まれ。専門学校を卒業後、商社・広告代理店に勤務。1993年に北九州の地酒専門店を経営する夫と結婚。家業を営みながら生命保険面接士としても活動。のちに来店型保険ショップを皮切りに保険募集人としての活動を開始。ファイナンシャルプランナー資格取得。2010年にミライエ・コンサルティングを設立。キャッシュフローコーチとして活動を始め、コンサル業にも携わる。2016年に乳がんが発覚し、主な活動をコンサル業へと移す。2021年法人化を機に株式会社MiRaieに社名変更。現在は、思整雑談術®を活かしたセッション「TALK to ACTION」を中心に、経営者をサポートしている。