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2023.10.26
お知らせ

【社外参謀’s File #06】橋本 秀明 目指すのは「経営の相談もできる税理士」。社長の一番身近な相談相手になりたい

中小企業と心をひとつに、外から支える「社外参謀」。JCFに所属する社外参謀たちの軌跡と中小企業への思いをお伝えする『社外参謀s File』をお届けします。第6回目は、税理士事務所の橋本秀明。経営の相談もできる税理士として、中小企業への思いやポリシーについて語りました。

 

独立して18年。姿勢は「代表」ではなく「組織の一員」

税理士を目指したのは、大学生の時。友人に会計学研究会に誘われ、簿記の勉強を始めたのがきっかけでした。最初は、簿記検定に合格すれば少しは就職に有利ではないか、というくらいの軽い気持ちでしたが、会計や税の専門職として税理士という資格があることを知り、本格的に目指そうと大学を中途退学。税理士の専門学校に通うことにしました。

卒業後は都内の会計事務所に勤務しながら勉強を続け、無事に税理士の資格を取得することができました。税理士を目指した頃から、いつかは自分でやってみたいと思っていたので、39歳の時に独立。ビジネスパートナーと共同で「税理士法人ウィズ」を設立しました。

「ウィズ」という社名には、「共に成長・共に発展」という意味が込められています。お客様や社員と共に成長していきたい。私は創業者で代表ではありますが、ウィズという組織に貢献する構成員の一人であって、「自分の事務所」という意識は持っていません。これからも社員と共に、組織の利益に貢献していく姿勢でやっていきたいと思っています。

 

■社外参謀養成大学の参画で不安が自信に。常にアップデートしていきたい

7年ほど前から、税理士としての財務案件の仕事と合わせて、コンサルティングを始めました。というのも、親しいお客様の会社がリーマンショックのあおりで廃業に追い込まれました。その時、もう少し自分がしっかり社長の話を聴いて、ちゃんとしたアドバイスができていたら、そこまでに至らなかったのでは、と強く後悔しました。税務申告書を作ったり、税務相談にのったりといった税理士としての関わりだけでは、お客様を助けるには足りないのかもしれない。そう考えてから、経営や財務の勉強をし直すことにしました。

しかし、さまざまなセミナーや講座で経営について勉強をして顧問先の経営目標達成の計画作りや伴走支援をしていても、その結果が自分のサービスによる成果かどうか実感がわかず、曖昧な状態が続きモヤモヤしていました。そんな時に、社外参謀養成大学のことを知り、特に中小企業支援のための必要なスキルを学びたかった私は、「自分の求めているものがここにある!」と信じ、入学しました。

社外参謀養成大学に参加して、総合コンサルやT字型コンサルといった考え方を学び、中小企業経営者の身近な存在である顧問税理士としての在り方を再定義できました。実際のコンサルの現場では、二軸思考や行動具体化シートを活用できて、さらに分かりやすく考えられるようになったと感じています。また、今までのコンサルでは数字を追うことだけに偏りがちだったのですが、対策ジャンプをしない、課題解決の手段を自分の得意分野に寄せないという意識を持てるようになり、受講前の不安な気持ちは、自信に変わりました。

卒業後は、五つ星アカデミープロジェクトに参加しています。今年の8月には、社内研究型で五つ星アカデミーを開催しました。

 

■自身のつらい経験が根源に…社長の一番身近な相談相手になりたい

実は、小学校高学年の頃に、父親の会社が倒産しました。税理士になったきっかけと、この事実には全くつながりはないのですが、今、コンサルの仕事に対してモチベーションが湧いてくるのは、この時の経験が潜在意識の中にあるのではないか、と感じるようになりました。

本当に経営が苦しくなる前に、私の伴走でなんとかしたい。ちゃんと会社の経営状況をお伝えし、社長に今後どうしたいのかをしっかりお聴きして、一緒に対策を考えていきたいです。課題や悩みを解決する入り口として、関われるようにしています。社長は孤独になりやすく、家族にも話せないことが多々あります。だからこそ、社長にとって一番身近な相談相手になれるよう、常に相手の話をしっかり聴くようにしています。

 

■税理士を核とした「総合コンサル」を目指す

コンサルティングを始めて、ある顧問先の社長から言われた嬉しい一言があります。会社が成長し、組織が変わることで契約を解消することになったのですが、最後に社長が「橋本さんと知り合って3年で売り上げが3倍、利益が5倍になりました。これは実績として広告として使ってくださいね」と言われたんです。普段は寡黙な社長で、そんな言葉をかけていただけると思っていなかったので、とても嬉しかったです。もちろん、私の成果ではなく社長自身の成果なのですが、言っていただけたことに感動してしまって。評価していただいて、ありがたいなと感じました。

税理士としてやりがいを感じたのは、税務の仕事で関わっていた会社の経理を担当している社長の奥様から「息子が橋本先生みたいになりたいと簿記の勉強をし始めた」と聞いた時。当時息子さんは中学生だったのですが、ご自宅に伺った際に一度挨拶をしたくらいだったので、そんなふうに思われていたとは驚きでした。奥様がおっしゃるには、社長と経営に関することを話している時に、いつも「橋本先生に相談しよう」と言っていたので、横で聞いていた息子さんは「橋本先生ってすごい人なんだ」と思っていたのでは、ということでした。やはり、税理士というのは頼りにされる存在なんだと改めて実感し、やっていてよかったなと思った瞬間でした。

私はコンサルティングをしていますが、自分のイメージとしてはやはり「税理士」。税理士として、もっとしっかりお客様と関わりたいという思いが強いです。JCFの「総合コンサル」には、さまざまな課題を一旦受け止めて仕分けして解決していくという意味があります。この考え方が税理士の立場の自分にマッチしているな、と感じます。経営のことも相談にのれる税理士として、お客様に良い意味で「ちょっと違う税理士だな」と感じていただけたらいいなと思います。

 

<プロフィール>

橋本 秀明(はしもと・ひであき)

税理士法人ウィズ代表税理士。都内の会計事務所に勤務しながら1991年に税理士試験合格、上場企業の税務を経験するも中小企業をメインに法人、経営者個人の税務アドバイス、決算申告支援を行う。2005年に独立開業。中小企業経営者の相談相手として30年以上の経験から、現在は年間200件以上の経営相談を受けている。プライベートでは2児の父。趣味はゴルフで、いつか家族4人でラウンドすることが夢。

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